エアコンのスイッチを入れた瞬間に、タバコの匂いが吹き出してくる。窓を開けて走っているときは気にならないのに、送風を始めた途端に出てくる——この形で悩んでいらっしゃると思います。
調べると、たいてい「エアコン内部を洗いましょう」という答えに行き着きます。間違いではありません。ただ、それだけでは戻ってくることがあります。
この記事では、なぜエアコンをつけたときだけ臭うのかと、エアコンを洗っても消えない場合に何が残っているのかを整理します。そのうえで、どこまで作業すればよいのかと、実際の金額を書きます。
エアコンをつけた瞬間だけ臭うのはなぜか
まず、この現象そのものの説明からです。
ヤニは油です。エアコンの内部にも溜まります
タバコの煙は、粒の細かい油の粒子です。水のように蒸発して消えるのではなく、触れた面に膜として残ります。これがヤニです。
車内でタバコを吸うと、その煙は空気と一緒にエアコンへ吸い込まれます。エアコンは車内の空気を循環させる装置なので、煙も同じ経路を通ります。
行き着く先がエバポレーターです。空気を冷やすための部品で、フィンが細かく並んだ構造をしています。表面積が大きく、しかも常に湿っています。油の粒子が付着して溜まっていくには、これ以上ない条件です。
冷えると出てくる、温まると出てくる
エアコンを止めているあいだ、ヤニは膜のまま留まっています。スイッチを入れると、そこに風が通ります。
このとき、溜まっていたにおいが一気に押し出されます。「最初だけ強い」と感じるのは、留まっていた分がまとめて出てくるためです。しばらく回していると弱まるのは、消えたのではなく、鼻が慣れることと、押し出される量が落ち着くことによります。
暖房でも同じことが起きます。冷房のときだけと思われがちですが、風が通れば同じです。
エバポレーターだけではありません
空気の通り道は、エバポレーターだけではありません。そこから吹き出し口までのダクトにも、同じように付いています。
ダクトは細長い管で、手も道具も入りません。ここを通ってきた風がにおうので、吹き出し口を拭いても変わりません。
ただし、エアコンだけの問題ではないことが多いです
ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。
「エアコンをつけると臭う」という症状から、原因をエアコンだけに絞ってしまいがちです。けれど車内でタバコを吸っていたのなら、ヤニはエアコンの中だけに付いているわけがありません。
煙は上に昇ります。天井がいちばん吸っています
吸ったタバコの煙は、まず上に昇ります。車の天井は、運転席から数十センチの距離にあります。
天井の内張りは、布や起毛の生地の下にスポンジ状の素材が入った構造です。においをよく吸います。しかも面積が広く、手が触れない場所なので、掃除されることもほとんどありません。
エアコンを洗ったのににおいが戻ってきた、という場合、天井が残っていることがよくあります。
シートとカーペットにも入っています
布のシートは、天井と同じ理屈でにおいを吸います。座面と背もたれの生地の中、そしてその下のクッション材まで入ります。
足元のカーペットも同じです。掃除機をかけても、吸えるのは表面のゴミだけで、生地の中に入った油分には届きません。
樹脂やガラスには膜として残ります
ダッシュボード、ドアの内張り、ハンドル、窓ガラス。硬い面には、油の膜として乗っています。
手で触るとわずかにベタつく、窓の内側が白くくもる、というのがこの状態です。ここは拭けば落ちますが、油なので水拭きでは伸びるだけになります。
ヤニの汚れそのもの——シートの黄ばみや天井のくすみ——については、別の記事で作業ごとに整理しています。車内のヤニ汚れの落とし方|シート・天井のタバコ汚れは自分で落とせるか
自分でできること、できないこと
順番に書きます。やってよいことと、やらないほうがよいことがあります。
エアコンフィルターの交換(やってよい・効果は限定的)
フィルターは多くの車で助手席のグローブボックスの奥にあり、工具なしで交換できることが多い部品です。まず試す価値はあります。
ただしフィルターは、エバポレーターより手前にあります。これから入る空気をこすのが役目で、すでに奥に付いているヤニには関係がありません。
交換して変わらなかった場合、それは「フィルターが原因ではなかった」という情報になります。無駄ではありません。
外気導入で回す(やってよい・一時的)
内気循環にしていると、車内の空気を何度も吸い込むことになります。外気導入に切り替えて走ると、内部を通る空気が入れ替わります。
においが薄くなることはありますが、付着している油分が減るわけではないので、戻ってきます。
市販のエアコン消臭スプレー(すすめません)
吹き出し口や吸い込み口から噴射するタイプの製品があります。これはおすすめしていません。
理由は2つです。ひとつは、届く範囲が狭いこと。エバポレーターは奥にあり、スプレーの液がそこまで行き渡るとは限りません。
もうひとつは、湿らせて終わることです。洗い流して外へ出す工程がないので、溶けた汚れがその場に残ります。においが変わるだけで、元が減っていません。
天井を濡れた布で拭く(やらないでください)
これがいちばん多い失敗です。天井の内張りは、生地とスポンジが接着されています。水を含ませると接着が緩み、垂れてくることがあります。
一度垂れた天井は、貼り直しになります。清掃の費用より高くつきます。
強い洗剤やアルコールも同じです。色が抜けたり、生地が固まったりします。
「エアコン洗浄」と呼ばれる作業には、段階があります
業者に頼むとき、同じ「エアコン洗浄」という名前で、違う作業が呼ばれています。ここを知らないと、金額だけを見て選ぶことになります。
吹き出し口から薬剤を入れるだけの作業
いちばん軽いものです。市販のスプレーと考え方は同じで、噴射して終わります。短時間で終わり、金額も低く設定されています。
洗い流す工程がないので、溶けた汚れは中に残ります。
エバポレーターに直接届かせて、洗い流す作業
フィルターを外した奥、あるいは点検口からエバポレーターそのものに薬剤を届かせ、汚れを浮かせて洗い流します。出てきた汚水を回収するところまでを含みます。
クルピカ24のエバポレーター洗浄は、これにあたります。エバポレーターを車から取り外さずに行うので、部品を壊すおそれを抑えられます。
分解して取り出す作業
ダッシュボードを外してエバポレーターを取り出す方法です。いちばん確実ですが、作業も費用も大きくなります。整備工場やディーラーで行われる形です。
クルピカ24はここまでは行いません。取り外しが必要と判断される場合は、その旨をお伝えします。
エアコンの臭いには、タバコ以外の原因もあります。カビなのか、フィルターなのか、車内そのものなのかを見分ける方法は別の記事にまとめています。車のエアコンが最初だけ臭いのはなぜ?3つの原因の見分け方と洗浄料金
クルピカ24の場合、何をいくらでやるか
金額を先に書きます。すべて税込で、出張費・交通費・高速代が含まれています。
| 作業 | 料金(税込) | どこに効くか |
|---|---|---|
| 車内基本清掃(軽自動車) | 25,000円 | シート・フロア・マット・内装の拭き取り |
| 車内基本清掃(普通車) | 30,000円 | 同上 |
| 車内基本清掃(大型車) | 35,000円 | 同上 |
| 天井清掃 | 10,000円 | 天井の内張り。タバコではここが重い |
| オゾン消臭 | 12,000円 | 洗浄後に残ったにおいへ |
| エバポレーター洗浄 | 35,000円 | エアコン内部 |
車内基本清掃に天井は含まれていません。天井は車内基本清掃に追加するオプションです。基本料金で天井までやると読まれないよう、はっきり書いておきます。
天井清掃・オゾン消臭・エバポレーター洗浄は、いずれも車内基本清掃に追加するオプションです。オプションだけのご依頼は承っておりません。
エバポレーター洗浄には条件があります
正直に書きます。エバポレーター洗浄は、対応できる提携会社が半分程度です。お車が外車の場合など、対応できないこともあります。
お受けできるかどうかは、車種と地域によって変わります。ご相談のときに確認しますので、まずお車の車種をお知らせください。
エバポレーター洗浄までは難しい場合でも、車内基本清掃はご相談いただけます。そして次に書くとおり、タバコの場合は車内側の作業のほうが効くことが少なくありません。
ヤニだからという理由で、料金は上がりません
タバコの相談で、よく聞かれることです。「においが強いので追加になりますか」。
なりません。クルピカ24は、汚れの種類による加算を設けていません。
タバコのヤニ、ペットの毛、嘔吐の痕、粗相 — どれも上の表の金額のままです。年式による加算もありません。
これは、クルピカ24の成り立ちに関わる部分です。
「特殊清掃」という意味不明な言葉で、犬の毛は+いくら、嘔吐は+いくら、タバコは+いくらって、汚れの種類で別途追加している業者が本当に多い。
当日になって色々と言われて追加になるのが嫌だ、という声から一律の料金にしたのが始まりです。金額が変わるのは、車のサイズと、どのオプションを付けるかだけです。
ですので、総額は問い合わせの段階で確定します。「見てみないと分かりません」ではありません。
どこまでやるかの決め方
全部やれば確実ですが、金額も上がります。状態によって、必要な範囲が変わります。目安を書きます。
エアコンをつけたときだけ臭う
止めているあいだは気にならず、風が出たときだけ、という場合。エアコン側の比重が大きい状態です。
まずエアコンフィルターの交換をご自分で試して、それでも変わらなければエバポレーター洗浄をご検討ください。
エアコンを止めていても、乗り込んだ瞬間に臭う
ドアを開けた瞬間に来る場合、においの元は車内側にあります。天井とシートです。
この状態でエアコンだけを洗っても、あまり変わらないことが多いです。車内基本清掃と天井清掃のほうが効きます。
両方ある(いちばん多い形です)
実際のご相談では、これがほとんどです。長く吸っていた車は、エアコンにも車内にも付いています。
この場合、車内基本清掃+天井清掃+オゾン消臭から始めることをご案内しています。普通車なら 30,000+10,000+12,000 で52,000円(税込)です。
エバポレーター洗浄を加えると、さらに 35,000円です。いちばん大きい範囲になりますので、まず車内側から入って、残った分をご相談いただく形でも構いません。
オゾン消臭だけを頼みたい
結論から書くと、オゾン消臭だけのご依頼は承っておりません。車内基本清掃に追加するオプションとしてお受けしています。
オゾン消臭は、洗ったあとに残ったにおいを処理する仕上げの作業です。ヤニの油膜が付いたままかけても、においの元が減っていないので戻ってきます。
先に洗う。そのあとにオゾン。この順番でご案内しています。
中古車を買ったばかりの場合
ご相談の中で多いのが、中古車を購入したあとに気づくケースです。
販売店で見たときは分からなかったのに、乗り始めてエアコンを使ったら出てきた——という流れです。展示中はエアコンを回していないので、そのときは出てきません。
納車前・納車直後がいちばん動きやすいです
使い始める前であれば、荷物も載っておらず、日程も調整しやすい状態です。
それに、自分のにおいが混ざる前のほうが、どこまで取れたかが分かりやすくなります。乗り慣れてしまうと、鼻が慣れて判断しにくくなります。
「禁煙車」と書かれていても、前の前は分かりません
中古車の表示は、直前の所有者についてのものです。その車が何人の手を経てきたかまでは分かりません。
エアコンをつけたときだけ臭うのであれば、過去のどこかで吸われていた可能性があります。販売店に言っても、確認のしようがないことが多いです。
作業する場所と、そのあと
クルピカ24は出張型です。お店へ持ち込んでいただく必要はありません。ご自宅の駐車場、職場の駐車場、近くのコインパーキングなど、お車を停めていらっしゃる場所へ伺います。
必要なのは扉が開く程度の作業スペースです。全国47都道府県でご相談いただけます。
立ち会いは作業の前後だけで大丈夫です。お立ち会いなしで、お車の鍵の受け渡しとお支払い方法だけ先に決めて作業する場合もあります。
車内基本清掃では布地を洗いますので、作業のあとは乾燥の期間が1日から必要です。リンサークリーナーで脱水してからお返ししていますが、生地の奥に入った水分はしばらく残ります。窓を開けて換気していただくと乾きが早くなります。
出張で頼むときにエリアや出張費をどう確認すればよいかは、別の記事にまとめています。車内クリーニングの出張はどこまで来てくれる?エリア・出張費・当日の追加
よくあるご質問
Q. エアコン洗浄だけでタバコ臭は消えますか?
A. エアコンをつけたときだけ臭う状態であれば、エアコン洗浄で軽くなることが期待できます。ただし止めていても臭う場合は、天井やシートにも入っています。その状態でエアコンだけを洗うと、戻ってきたように感じます。どちらの状態かをお伝えいただければ、必要な範囲をご案内します。
Q. ヤニがひどいと料金は上がりますか?
A. 上がりません。汚れの種類による加算は設けていません。タバコのヤニ、ペットの毛、嘔吐の痕、粗相 — どれも車種区分の金額のままです。年式による加算もありません。金額が変わるのは、車のサイズと、どのオプションを付けるかだけです。
Q. エアコンフィルターを替えたのに臭います。なぜですか?
A. フィルターはエバポレーターより手前にあり、これから入る空気をこすのが役目だからです。すでに奥に付いているヤニには届きません。替えて変わらなかったことは「フィルターが原因ではなかった」という情報になりますので、無駄ではありません。
Q. 市販の消臭スプレーを使ってもいいですか?
A. おすすめしていません。届く範囲が狭いことと、洗い流す工程がないことが理由です。溶けた汚れがその場に残るので、においが変わるだけで元が減りません。天井に洗剤やアルコールを吹くのも避けてください。生地が剥がれたり色が抜けたりします。
Q. 天井清掃は必要ですか?
A. タバコの場合、天井が重いことが多いです。煙は上に昇り、天井の内張りは布とスポンジでできていてよく吸います。車内基本清掃には天井が含まれていませんので、車内基本清掃に追加するオプション(10,000円・税込)になります。天井清掃だけのご依頼は承っておりません。においのご相談では、天井清掃とオゾン消臭をあわせてご案内することがあります。
Q. オゾン消臭とエバポレーター洗浄は違うものですか?
A. まったく別の作業です。オゾン消臭(12,000円・税込)は、洗ったあとに残ったにおいを処理する仕上げです。エバポレーター洗浄(35,000円・税込)は、エアコン内部の部品そのものを洗う作業です。混同されやすいのでご注意ください。
Q. 総額はいくらになりますか?
A. お車の車種区分と、付けるオプションで決まります。ご相談が多いのは、普通車の車内基本清掃30,000円+天井清掃10,000円+オゾン消臭12,000円で 52,000円(税込)の形です。エバポレーター洗浄を加えると 35,000円が乗ります。車種をお知らせいただければ、総額でお答えします。
Q. 外車でも対応できますか?
A. 車内基本清掃はご相談いただけます。ただしエバポレーター洗浄は、外車など対応できない場合があります。対応できる提携会社が半分程度ですので、車種と地域によって変わります。ご依頼を確定させる前に確認しますので、まずお車の車種をお知らせください。
Q. 作業のあと、すぐ乗れますか?
A. 車内基本清掃では布地を洗いますので、乾燥の期間が1日から必要です。リンサークリーナーで脱水してからお返ししていますが、生地の奥の水分はしばらく残ります。窓を開けて換気していただくと乾きが早くなります。
まとめ
エアコンをつけた瞬間にタバコの匂いが出てくるのは、ヤニが油としてエアコン内部に溜まっていて、風が通ったときに押し出されるためです。
ただし車内でタバコを吸っていたのなら、ヤニはエアコンの中だけにあるわけではありません。煙は上に昇るので、天井がいちばん吸っています。シートにもカーペットにも入っています。エアコンを洗ったのに戻ってきた、という場合は、ここが残っています。
判断の目安はひとつです。エアコンをつけたときだけ臭うのか、止めていても乗り込んだ瞬間に臭うのか。前者ならエアコン側、後者なら車内側の比重が大きい状態です。
クルピカ24の料金は、車内基本清掃が軽自動車25,000円・普通車30,000円・大型車35,000円、天井清掃10,000円、オゾン消臭12,000円、エバポレーター洗浄35,000円(いずれも税込)です。出張費・交通費・高速代は含まれています。
そして、ヤニだからという理由で料金は上がりません。汚れの種類による加算を設けていないためです。総額は問い合わせの段階で確定します。
お車の車種と、エアコンをつけたときだけ臭うのかどうかをお知らせください。必要な範囲と総額をお答えします。
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