見た目はきれいなのに、どこかにおいが残っている気がする
滋賀県栗東市にお住まいの方から、ホンダ N-BOX の後部座席で嘔吐してしまった、というご相談をいただきました。駐車場はご自宅、電気と水道はどちらもお借りできる環境です。
車の中で吐いてしまったあと、目に見える部分をきれいにすれば、ひと安心にはなります。実際、ドアを開けて座席を眺めても、シミらしいシミが見当たらないことは珍しくありません。それでも、しばらく走ると、なんとなく気配が残っている。この「見た目はきれいなのに」という状態が、いちばん判断に困るところだと思います。
今回のN-BOXも、まさにその状態でした。後部座席を開けて全体を見たかぎりでは、汚れらしいものは見当たりません。ところが、折り目に沿って見ていくと、すじの奥に細かい粒が帯のように残っていました。
お伺いした時点の後部座席の様子
まず、後部ドアを開けて後部座席の全体を確認しました。

背もたれと座面、チャイルドシートを固定するための金具のカバー、赤いバックル、そしてリヤスピーカーが写っています。ご覧のとおり、座席の上には目立つシミも、乾いた跡らしいものも見当たりません。
ただ、車内で嘔吐があったとき、汚れが最後まで残るのは平らな面ではありません。縫い目の際、折り目のすじ、座面と背もたれのあいだ。指が入りにくく、上から拭いただけでは届かない場所です。液体は低いほうへ流れ、細かいものは繊維の隙間に落ちて、そのまま乾きます。
そのため、まず行うのは全体を眺めることではなく、こうした「入り込む場所」を1か所ずつ見ていくことです。今回も、座面を折り目に沿って追いかけていきました。
座面の折り目に、細かい粒が帯のように入り込んでいました
見つかったのが、この場所です。

折り目のすじに沿って、橙色から茶色の細かい粒が、帯のように並んで入り込んでいます。粒の一つひとつはごく小さく、離れて見れば生地の模様と見分けがつきません。それが、すじの中だけにまとまって残っている。これが今回の嘔吐で残っていたカスです。
先ほどの全体の1枚と見比べてみてください。全体には汚れが写っていないのに、折り目に寄った1枚にははっきり残っています。同じ座席なのに、見る距離を変えただけで結果が変わるというのが、嘔吐の汚れの厄介なところです。
上から拭き取る作業では、この帯には届きません。布やペーパーは折り目の上をまたいでしまい、すじの底に落ちた粒はそのまま残ります。しかも、粒が残っているということは、そこに水分と一緒に染み込んだものも残っている可能性が高いということです。においの元になるのは、目に見える粒だけではありません。
なお、この写真には銀色の小さな点もいくつか写っています。生地の繊維の反射なのか別の何かなのかは写真からは判断できないため、断定せずに扱っています。
座面の角と、足元のフロアマットも確認しました
折り目のほかに、座面の角も近くで確認しました。

グレーのファブリックの面と、濃い色のサイドが接している角です。座面の角は、乗り降りのたびに体が当たり、こぼれたものが流れていく場所でもあります。写真の右側、濃いカーペットの面には淡い小さな粒がいくつか見えますが、それが何かは写真からは分かりません。嘔吐によるものと決めつけず、汚れの可能性がある箇所として洗浄の対象に含めました。
足元のフロアマットも見ています。

濃いグレーのループパイル(輪になった毛が並んだ織り)のマットで、縁取りが付いています。近くで見ても、はっきり分かる付着はありません。縁の縫い目に沿って淡い粒がわずかに見えるだけで、これも正体までは特定できませんでした。
それでも、フロアマットは外して洗っています。シートの上で起きたことは、足元にも落ちている可能性があるからです。目視で見つからないから触らない、という進め方はしていません。
マットは敷いたまま洗うと下のフロアに水が回ります。外して単体で洗えば、毛の奥まで水を通したうえで吸い上げられます。
当日行った作業
今回お受けしたのは、軽自動車の車内基本清掃です。作業の中心は、後部座席のシート洗浄と、取り外したフロアマットの洗浄でした。
作業の順番としては、まず車内のゴミやほこりを取り除き、細かいものを吸い出したうえで、汚れが確認できた箇所に洗浄液を入れていく、という流れになります。いきなり水を入れると、乾いた粒が濡れて生地の奥へ押し込まれるためです。手数がかかるのは、こうした折り目のすじです。すじの中の粒は、上からなでるだけでは動きません。生地を起こしながら、すじの底に届くように洗浄液を行き渡らせ、繊維の間から浮かせていきます。
浮かせたあとは、リンサークリーナーで吸い出します。洗浄液を生地に注ぎながら、汚れと一緒に水分を吸い上げる機械です。拭き取りとの違いは、中に入ったものを液体ごと外へ引き出すところにあります。嘔吐のように液体が繊維の内側まで入っている汚れでは、この吸い出す工程が要になります。
フロアマットは、外したうえで同じように洗って吸い出しています。
シートやマットが濡れた状態のままだと、それ自体が別のにおいの原因になります。作業のあとは、リンサークリーナーで脱水してからお返ししています。それでも湿った状態でのお返しとなりますので、乾燥期間が1日から必要です。駐車中に少し窓を開けておける環境でしたら、風を通していただくと早く落ち着きます。
今回はご自宅で電気も水道もお借りできる環境でした。
作業を終えたあとの様子
作業を終えたあと、同じ後部座席を撮った写真です。

もともと目立つ汚れが写っていない場所ですから、並べても劇的な違いにはなりません。お伝えしたいのはむしろ逆で、この1枚だけを見ていたら、折り目に何が残っていたのかは最後まで分からなかったということです。見た目の変化が小さいことと、車内に何も残っていなかったことは、別の話になります。
次の1枚には、シートベルトと赤いバックル、グレーの樹脂カバーが写っています。

この1枚は、先ほど折り目に寄って撮った1枚とは撮影の距離と向きが違うため、同じすじを並べて見比べる形にはなっていません。折り目のすじを含めて、後部座席のシートは洗浄しています。
座面の角と、フロアマットも載せておきます。


なお、前後の写真で明るさが違って見えるものがありますが、これは撮影時の光の当たり方の差であって、汚れの量の差ではありません。見ていただきたいのは明るさではなく、折り目のすじに何が入っているかのほうです。
においについて、お伝えしていること
嘔吐のご相談でいちばん多いのが、においが取れるのかというご質問です。ここは正直にお伝えしています。
シートの中のウレタンの中心部まで入り込んでいる場合は、乾いたあとににおいが戻ってくることがあります。リンサークリーナーで吸い出せるのは、表面からおよそ5cmまでです。
つまり、汚れがどこまで到達しているかで結果が変わります。表面の生地とクッションの浅いところで止まっていれば、洗って吸い出すことで多くの部分に手が届きます。座面を貫通して裏側まで抜けている場合は、上から洗うだけでは届かない部分が出ます。においの残り方は、車内の状態と、汚れてからの時間によって差が出ます。
判断が難しいのは、この深さが外から見えないところです。今回のように表面がきれいに見えていても、中でどこまで進んでいるかは、洗って吸い出しながら見ていくことになります。作業のあと、しばらく乗ってみて気になるようでしたらお知らせください。
今回の料金
今回は、軽自動車の車内基本清掃で、オプションは付けずに 25,000円(税込) でした。
| 車両区分 | 車内基本清掃の料金 |
|---|---|
| 軽自動車 | 25,000円(税込) |
| 普通車 | 30,000円(税込) |
| 大型車 | 35,000円(税込) |
料金は作業に入る前に確定させてお伝えします。作業が始まってから金額が増えることはありません。お伝えしている基本プランとオプション以外の費用はいただきません。
車内基本清掃には、シート、フロア、マット、内装部分の洗浄や消臭作業が含まれます。天井は含みません。天井まで作業する場合は、天井清掃を別に承っています。
なお、嘔吐したものがそのまま残っている状態でのご依頼は、22,000円(税込)の追加料金をいただきます。この場合も、作業に入る前に合計金額を確定させてお伝えします。今回のご依頼ではこの追加料金は発生しておらず、車内基本清掃の25,000円(税込)だけをいただいています。
早めにご相談いただくほど、打てる手が増えます
嘔吐の汚れは、時間が経つほど扱いが難しくなります。理由は2つあります。
1つめは、水分が抜けて固まることです。今回の折り目のように、細かい粒が繊維の間に入り込んだまま乾くと、織り目に噛み込んだ状態になります。柔らかいうちなら浮かせやすいものが、乾くほど動かなくなります。同時に、液体のほうは時間とともにクッションの奥へ広がっていきます。
2つめは、においが後から出てくることです。湿度が上がった日や、締め切った車内が温まったときに戻ってくることがあります。「一度乾いたから大丈夫だろう」と様子を見ているあいだに進んでしまう、という流れです。
拭き取って見た目が落ち着いた段階でも、においが気になるようでしたら、その時点でご相談いただくほうが選べる手は多くなります。「これくらいで頼んでいいのだろうか」と迷う必要はありません。
よくいただくご質問
Q. 見た目に汚れが残っていなくても頼めますか?
A. はい、ご相談ください。今回のN-BOXも、後部座席の全体を見たかぎりでは汚れが見当たりませんでした。実際には折り目のすじに細かい粒が帯のように残っていて、写真で寄って初めて分かりました。
Q. 吐いたにおいは完全に取れますか?
A. 汚れが生地の表面近くで止まっているうちにご相談いただけると、洗って吸い出せる範囲に収まりやすくなります。クッションの奥まで進んでいる場合は、上から洗うだけでは届かない部分が出ます。実際に拝見して、どこまで手が届きそうかをお伝えします。
Q. 作業のあいだ、そばにいたほうがいいですか?
A. 基本的には、作業の前後だけお立ち会いいただければ大丈夫です。作業のあいだ、ずっとそばにいていただく必要はありません。
Q. 作業のあと、すぐに乗れますか?
A. お乗りいただけますが、湿った状態でのお返しになりますので、乾くまでに1日以上はみておいてください。座ったときに湿り気を感じることがありますので、気になる場合はタオルなどを敷いてお使いください。風が通る環境であれば、その分早く落ち着きます。
Q. 電源は用意が必要ですか?
A. 原則として不要です。発電機やポータブル電源を積んで伺います。ご予約状況により、電源をお借りできる場所への移動をお願いする場合があります。
Q. 水道がない場所でも作業できますか?
A. 作業に使う水は持参しています。お借りできる場合はお借りします。ご予約状況や、駐車場所の広さ・排水の状況によってご案内が変わることがありますので、ご予約の際にお知らせください。
Q. 軽自動車の料金はいくらですか?
A. 軽自動車の車内基本清掃は25,000円(税込)です。普通車は30,000円(税込)、大型車は35,000円(税込)。料金は作業に入る前に確定させてお伝えします。
Q. どんな業者が来ますか?
A. 案件の内容や地域に応じて、対応できる体制でご案内しています。ご不安な点があれば、ご予約の際にお聞きください。
まとめ
滋賀県栗東市のホンダ N-BOX、後部座席の嘔吐清掃の事例をご紹介しました。
この案件でいちばんお伝えしたいのは、後部座席を開けて全体を見たかぎりでは、汚れがまったく分からなかったということです。それでも、座面の折り目のすじには、橙色から茶色の細かい粒が帯のように入り込んでいました。上から拭く作業では届かない場所です。
作業は、後部座席のシート洗浄と、取り外したフロアマットの洗浄です。上から拭いても届かない折り目のすじに、底まで洗浄液を届かせて洗い、吸い出す工程が中心になります。料金は軽自動車の車内基本清掃で25,000円(税込)、オプションなしです。
拭き取って見た目が落ち着いていても、においだけが残っているように感じることがあります。その感覚は、たいてい間違っていません。どこに残っているのかを探して、そこに手を入れることが、車内清掃の中身です。滋賀県で車内の嘔吐清掃をお考えでしたら、まずは状況をお聞かせください。どこに何が残っていそうかを整理したうえで、ご相談させていただきます。
おすすめの記事
同じ滋賀県内でおこなった車内清掃の事例です。汚れの原因はそれぞれ違いますが、どこに何が残っていて、そこにどう手を入れたのかを写真つきでご覧いただけます。
まずは、今回と同じ栗東市での施工です。ご相談はたばこ臭ですが、生地に染み込んでしまったにおいをどう扱うかという点では、今回の嘔吐清掃と考え方が重なります。
【滋賀県栗東市】たばこ臭が残るトヨタ・RAV4の車内クリーニング事例
こちらは、シートの奥まで入り込んだ汚れにどこまで手が届くのかを扱った事例です。上から洗うだけでは届かないと判断してシートを外しています。今回のような「表面はきれいに見えるのに」というケースの、その先の話として読んでいただけます。
【滋賀県彦根市】マツダ デミオのシート下カビの車内清掃|シート脱着・防カビコート
洗ったあと、においがどう落ち着いていくのかが気になる方はこちらもどうぞ。原因は灯油で今回とは違いますが、においが残っている車内をどう進めていくのかが分かります。