運転席の尿漏れと、後部のカビのご相談でした
神奈川県足柄下郡箱根町で、トヨタ ヤリスクロスの車内清掃をおこないました。
いただいたご相談は、運転席の尿漏れです。粗相があってからすでに数か月が経過しているとのことでした。あわせて、後部にカビが出ているというお話もうかがっていました。
尿のご相談は、起きてすぐの状態と、時間がたってからの状態とで、まったく別の作業になります。今回は後者でした。数か月というのは、汚れが乾いて、におい成分がシートの内部と車内のあちこちに落ち着いてしまうには十分な時間です。ご自身で拭き取りや市販の消臭剤を試されたあとにご相談いただくことも多く、それでも残ってしまうにおいには理由があります。
まずは、時間がたった尿の汚れが車内で何になっているのかからお話しさせてください。ここが分かると、今回シートを外した理由もつながって見えてくるはずです。
時間がたった尿の汚れは、どこまで入り込んでいるのか
車のシートは、表面の生地の下にウレタンのクッションが入っています。スポンジのような素材で、液体を吸うようにできています。
尿は、こぼれた瞬間から下へ向かって落ちていきます。表面の生地でとどまることは少なく、クッションへ入り、量が多ければさらに下へ抜けます。乾いてしまえば見た目には分かりません。けれど、水分が抜けたあとには成分が残ります。この残った成分が、湿気の多い日や、車を閉め切って温度が上がった日に、においとして立ち上がってきます。
梅雨どきや夏に「急ににおいが強くなった」と感じるのは、汚れが増えたからではなく、もともと残っていたものが動き出したからです。箱根は季節によって湿度が高くなる土地でもあり、車内にこもった空気の影響を受けやすい環境だと思います。
清掃の現場では、リンサークリーナーという機材を使います。洗浄液を吹き付けて、汚れごと水分を吸い出す機材です。ただ、この機材で吸い出せる深さには限りがあります。目安として、表面から5cm以内です。
尿がこの範囲におさまっていれば、シートを付けたままの作業で対応できます。ところが、量が多かった場合や、時間がたって下へ下へと移動している場合は、5cmより深いところに達していることがあります。その状態で表面だけをきれいにすると、その場ではにおいが引いたように感じても、しばらくして戻ってきます。残っている場所に、手が届いていないからです。
さらに、座面を通り抜けて下から滴っていたような場合は、シートの下のフロアカーペットまで届いています。カーペットの下には吸音材が敷かれていて、ここに入ったものは上からでは触れません。
もうひとつ、時間がたった尿のご相談で見落とされがちなのが、においが車内全体に移っていることです。閉め切った車内で立ち上がったにおいは空気に乗って動き、天井の生地、ドアの内張り、荷室の内張りといった面に少しずつ移っていきます。もとの場所をきれいにしても、車に乗り込んだときの印象が変わらない。そう感じられる場合は、においの元がシート以外にも広がっていることが少なくありません。今回、後部の内張りまで含めて手を入れたのも、この考え方によるものです。
今回おこなった作業
今回は、ご相談内容と現車の状態から、運転席のシートを外して作業すると判断しました。
シート脱着は、座席をボルトで固定している状態から取り外し、車外に出して作業する方法です。表面からでは届かない位置に汚れが達している場合や、シートの下のフロアまで確認したい場合に選びます。

シートを外した直後の運転席足元です。取り外したボルトが数本、フロアカーペットの上に置いてあります。電動工具と延長ソケットを使い、配線と樹脂のカバーを傷めないよう順番に外していきます。座席には電気の配線がつながっているため、単純に持ち上げれば済むものではありません。

シートを外したあとのフロアです。カーペットの上に、シートを留めていた取付金具が見えています。カーペットには濃淡のムラが見えていました。この濃淡が汚れによるものか、水分によるものかは、この写真からは判別できません。ただ、シートを外さなければこの面を見ることも、洗うこともできなかったことは確かです。外して初めて、作業の対象になります。

車外に取り出した運転席のシートです。段ボールを敷いた上に置いて作業しています。白く見えているのは洗浄剤の泡で、汚れやカビではありません。泡を全体になじませてから、リンサークリーナーで吸い出していきます。車内に付いたままでは、シートを傾けることも、裏側から作業することもできません。取り出してしまえば、どの向きからでも手が入ります。
運転席の作業と並行して、後部についても手を入れました。

後部座席の背もたれです。織り目のあるファブリックと、ベージュの合皮が組み合わされたシートで、合皮の部分に泡が乗っています。右にシートベルトが見えています。素材が違えば、洗い方も水分の残り方も変わります。生地は吸い込み、合皮は表面にとどまる。一台の車の中でも、面ごとに手を変えていきます。

荷室側面の内張りです。黒い樹脂の面に、洗浄剤の泡が細かく広がっています。大きな泡の塊も見えます。上部に樹脂のフックが付いています。樹脂の面は、見た目にはきれいでも、皮脂や湿気が薄く積もっていることがあります。においの相談では、シートだけでなくこうした面もあわせて洗います。
シートとフロアの洗浄が終わったあと、オゾン消臭をおこないました。オゾンは無色の気体で、目には見えません。空気中に行き渡らせることで、拭き取りや洗浄では手の届かない天井の裏側やダクトの内側、細かい隙間に残ったにおいの元へはたらきかけます。洗浄が「取り除く」作業だとすれば、オゾンは「残ったものへ届かせる」作業です。どちらか一方だけでは、時間のたった尿のご相談には足りません。
料金は次のとおりです。
| 内容 | 金額(税込) |
|---|---|
| 基本清掃(普通車) | 30,000円 |
| オゾン消臭 | 12,000円 |
| シート脱着(運転席1脚・11,000円/脚) | 11,000円 |
| 合計 | 53,000円 |
料金は作業に入る前に確定させてお伝えします。作業が始まってから金額が増えることはありません。お伝えしている基本プランとオプション以外の費用はいただきません。
清掃後の車内

作業を終えたドアの内張りです。ハンドルとポケット、それぞれの面を洗い、拭き上げています。木漏れ日の影が落ちていました。
今回はご自宅の平地の駐車場で作業させていただきました。平らな場所であれば、シートを取り出して地面に置くこともできますし、機材を安定させて置けます。作業のしやすさは、そのまま仕上がりに関わってきます。
正直にお伝えすると、数か月が経過した尿のご相談で、においが完全に消えるとは言い切れません。どこまで戻せるかは、こぼれた量、経過した時間、どこまで浸透したかによって変わります。シートを外したのは、その「どこまで」に手を届かせるためです。表面だけを整えて、しばらくして同じご相談をいただくことのないようにしたいと考えています。
気になった時点でご相談ください
尿のご相談で一番もったいないのは、時間だけが過ぎてしまうことです。
こぼれた直後であれば、汚れはまだ表面近くにとどまっています。この段階なら、シートを付けたままの作業でおさまることが多く、料金も抑えられます。日が過ぎるほど下へ移動し、届かせるために外す必要が出てきます。
「一度拭いたから大丈夫だと思っていた」というお話もよくうかがいます。表面を拭くことは無駄ではありませんが、拭き取れるのは表面に出ている分だけです。中に入ったものはその場に残り、湿気や気温で顔を出します。
しばらく気になっている、季節によってにおいが強くなる。そんな状態でしたら、一度ご相談ください。状態を確認したうえで、外す必要があるのか、付けたままで足りるのかをお伝えします。
ご相談の流れは決まっています。まずお困りの内容をうかがい、こぼした場所と量、どのくらい時間が経っているかを教えていただきます。そのうえで車の状態を確認し、必要な作業と料金を確定してお伝えします。ご了承いただいてから作業に入りますので、ご相談の時点で費用が決まらないまま進むことはありません。「見てもらったら高くなるのではないか」と迷って先延ばしになるより、早い段階で状態を知っておいたほうが、結果として選べる方法は増えます。
よくあるご質問
Q. 数か月たっていても間に合いますか
A. 作業はできます。ただ、時間がたっているほど汚れは深く入り込んでいるため、シートを外す作業が必要になることがあります。状態を確認したうえで、どの方法が合うかをお伝えします。
Q. 一度きれいにしても、においが戻ることはありますか
A. 表面から5cmより深いところまで浸透していた場合、後日においが戻ることがあります。リンサークリーナーで吸い出せる深さに限りがあるためです。そうした状態が見込まれるときは、はじめからシートを外す方法をご提案します。
Q. シートは必ず外すのですか
A. いいえ。汚れが表面近くにとどまっていれば、付けたままで作業します。外すのは、深いところまで達している場合や、シートの下のフロアまで届いていると考えられる場合です。費用は1脚あたり11,000円(税込)です。
Q. 電気や水道は用意が必要ですか
A. 不要です。発電機やポータブル電源、水を持参するため、マンション・月極駐車場・コインパーキング・ご自宅前でも施工できます。
Q. オゾン消臭だけをお願いすることはできますか
A. オゾン消臭だけのご依頼は承っておりません。基本清掃に付けるオプション(12,000円・税込)としてご案内しています。においの元が残ったままオゾンだけをかけても、においは戻りやすくなるためです。まず汚れを洗い出し、そのうえで残ったものにオゾンをはたらかせる。この順番でご案内しています。
Q. あとから追加の費用がかかりませんか
A. 料金は作業に入る前に確定させてお伝えします。作業が始まってから金額が増えることはありません。お伝えしている基本プランとオプション以外の費用はいただきません。
似たご相談をいただくことがあります
同じ尿のご相談でも、内容はそれぞれ違います。
ペットの粗相で、後部座席とフロアの両方に広がっているご相談。介護の送迎で、決まった座席にくり返し染み込んでいるご相談。お子さまの車酔いで、シートベルトの根元まで入り込んでいるご相談。こぼした場所と量、そして経過した時間によって、必要な作業は変わります。
共通しているのは、表面で終わらせないことです。どこまで入っているかを見て、届かせるための方法を選ぶ。シートを外すのも、フロアを洗うのも、オゾンを使うのも、すべてそのための手段です。
同じようなご相談の事例は、このページの下にある「おすすめの記事」からご覧いただけます。
まとめ
神奈川県足柄下郡箱根町で、トヨタ ヤリスクロスの運転席の尿漏れに対応しました。数か月が経過していたこと、後部にカビのご相談もあったことから、運転席のシートを取り外し、シート本体とその下のフロアを洗浄したうえで、オゾン消臭をおこないました。料金は基本清掃30,000円、オゾン消臭12,000円、シート脱着11,000円の合計53,000円(税込)です。
時間のたった尿のにおいは、表面を拭くだけでは戻りきりません。どこまで入り込んでいるかを見極めて、そこへ届く方法を選ぶことが必要です。気になっている車内がありましたら、状態を確認するところからご相談ください。
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