後部座席で吐いてしまった、というご相談でした
石川県野々市市のお客様から、車の中で吐いてしまったので清掃してほしい、というご相談をいただきました。お車はトヨタのプリウスです。
こうしたご相談をいただく時点で、お客様のほうでひととおり手は尽くされていることがほとんどです。拭き取って、窓を開けて、消臭剤も置いてみた。それでもまだ気になる。そのままでご連絡いただいて構いません。
今回は、車内基本清掃(普通車)30,000円(税込)での作業です。オプションは付けていません。
作業前の後部座席です

ドアを開けて、外から後部座席を撮ったものです。赤い文字で「シート汚損状況」と入れてあります。現場でその場で書き込んだものを、そのまま掲載しています。
座面と背もたれに、白い筋状の跡が広い範囲に出ています。すでに乾いた跡です。縦に流れたような筋と、面で薄く広がっている部分があり、座面の前寄りまで届いています。
シートは黒い布です。織りの模様が場所によって違っていて、座面は細かい菱形、サイドの立ち上がりは縦の畝になっています。この凹凸が、乾いたものを抱え込むところです。指で払っても、溝に入ったぶんは起き上がってきません。中央に立っている黒い部品はシートベルトのバックルで、布と樹脂の境目は液体が流れ込んで止まる場所です。
もう1枚、作業前の後部座席です

同じ後部座席を、もう少し上から撮ったものです。こちらも「シート汚損状況」と入っています。
座面の中央から右にかけて、白い筋状の跡が出ています。1枚目と同じ汚れです。角度を変えると、座面の上だけでなく、背もたれとの合わせ目のきわまで跡が届いているのが見えます。
右に写っているのは黒いフロアマットです。毛足のあるタイプで、シートの上から落ちたものはここへ行きます。左の座面の際には、赤いボタンの付いたバックルが2つ並んでいます。この根元が、シートの中でいちばん手の入りにくい場所です。
吐いたものは、表面に乗るぶんと生地の中に入るぶんに分かれます
車のシートは、表面の布地の下にウレタンのクッション材が入った構造になっています。上から液体がかかると、布地の目をとおって下のウレタンへ落ちていきます。
ここで汚れは二つに分かれます。表面に乗っているぶんは布で押さえれば取れますが、下へ落ちたぶんはウレタンに抱え込まれて残ります。においも、そこから出ています。市販の消臭剤で届くのは表面までですから、数日は落ち着いたように感じても、湿気の多い日にまた気になる、ということが起きます。
表面に出ているものだけを見て終わりにすると、下に残ったぶんはそのままになります。だから、浮かせて吸い出すところまでを一度で通します。
シートベルトのバックルのまわりから手をつけます

作業中の1枚です。「残留物除去」と入れてあります。シートベルトのバックルのまわりを、黄色いマイクロファイバークロスと、青いハンドルの先の細い道具で掃除しているところです。
ここから始めるのには理由があります。バックルの根元は、布と樹脂とベルトの3つが集まっていて、しかも座面よりくぼんでいます。上からかかったものは低いところへ流れますので、最後にここへ集まります。ところが、隙間の幅は指1本ぶんもなく、掃除機のヘッドは入りません。リンサークリーナーのノズルも面で当たりません。
そこで、先に細いものを差し込んで、溝の中で固まっているものをかき出します。手は素手です。クロスを当てる角度を指先で決めながら進めます。
リンサークリーナーで、生地の中まで洗います
リンサークリーナーは、汚れに合わせた溶剤をシートにかけて浮かせた後に、水と一緒に水分ごと吸い上げる機械です。バキュームで表面のものを吸ったあとに、この機械でシート内部に浸透した汚れを洗い・吸い出していきます。
まずバキュームで、表面に乗っているものを取ります。そのうえで溶剤をかけ、生地の中で固まっているものをゆるめます。少し置いてから、水を入れて吸い上げます。拭き取りと違うのは、この「浮かせてから吸う」という段が入るところです。
リンサークリーナーは必ず使います。どこまで使うかは、汚れの出ている場所に合わせて担当する者が決めています。今回のように範囲がはっきりしているお車では、そこを中心に時間をかけます。
回収した水です

リンサークリーナーのタンクを開けて、地面に置いたところです。「汚水」と入れてあります。奥に写っているのが、今回のプリウスのリアです。
タンクの中の水が濁っています。入れたのはきれいな水ですから、この濁りは生地の中から出てきたぶんです。拭き取りで終えていれば、このぶんはウレタンの中に残ったまま、乾いては湿気を吸うのを繰り返すことになります。においが戻ってくるのは、そこに残っているものが動くからです。
作業後の後部座席です

作業を終えたあとの1枚です。「完了」と入れてあります。こちらは反対側のドアから、後部座席の全体が入るように撮っています。
作業前の2枚とは画角が違いますので、同じ構図で見比べていただくことはできません。そのうえで見ていただきたいのは、作業前の写真に出ていた白い筋状の跡が、この写真では座面にも背もたれにも見当たらない、というところです。バックルのまわりも、溝まで布地の目がそのまま見えています。
今回の作業環境
今回は、ご自宅の駐車場での作業です。平らな地面で、作業のスペースも確保していただけました。
出張での車内清掃は、お車の置いてある場所でそのまま作業します。必要なのは、お車の横に人ひとりが動けるだけの幅と、ドアを全部開けられる余裕、そして機材を置いておく場所です。立体駐車場やガレージなど、天井や壁が近い場所については、ご予約の際に環境をうかがったうえでご相談させてください。作業にかかる時間は、車内全体でおよそ3時間です。
電気と水道は、お借りしていません。ポータブル電源を積んで伺い、作業に使う水も持参します。コンセントや水栓が近くにないお車でも、そのままご相談いただけます。
においについて、先にお伝えしていること
においについては、着手の前に必ずお話ししています。
シートの中のウレタンの中心部まで入り込んでいる場合は、乾いたあとににおいが戻ってくることがあります。リンサークリーナーで吸い出せるのは、表面からおよそ5cmまでです。
完全に無臭になるとは申し上げません。どこまで下げられそうかは、かかった量、生地の下まで届いているかどうか、時間が経っているかどうかの3つで見当を付け、着手の前にお伝えします。
座面を貫通して下から滴っているような場合には、シート脱着(11,000円(税込)/脚)をご提案させていただく場合もございます。今回のお車ではご提案していません。
においの元が天井まで届いている場合は、天井清掃とオゾン消臭をあわせてご提案することがあります。天井は車内基本清掃の範囲に入っていない別のメニューですので、必要なときだけお話ししています。今回はご提案していません。なお、オプションだけのご依頼はお受けしておりません。
作業のあとの乾燥について
作業のあとは、リンサークリーナーで脱水してからお返ししています。それでも湿った状態でのお返しとなりますので、乾燥期間が1日から必要です。駐車中に少し窓を開けておける環境でしたら、風を通していただくと早く落ち着きます。
窓開けはお願いであって、条件ではありません。開けておけない駐車場でしたら、そのままで構いません。乾燥に1日みていただく点は、環境にかかわらず同じです。作業日は、翌日にお車を使わない日を選んでいただくのが安心です。
お立ち会いと、当日の流れ
基本的には、作業の前後だけお立ち会いいただければ大丈夫です。作業のあいだ、ずっとそばにいていただく必要はありません。お立ち会いなしで、お車の鍵の受け渡しとお支払い方法だけ先に決めて作業する場合もあります。
当日は、到着してからまず状態を一緒に見ていただいて、そのあと作業に入ります。シートカバーを掛けられている場合は、当日までに外しておいていただけると助かります。
料金は作業に入る前に確定させてお伝えします。作業が始まってから金額が増えることはありません。お伝えしている基本プランとオプション以外の費用はいただきません。出張費・交通費・高速代はすべて料金に含まれており、別にいただいているのは、コインパーキングで作業する場合の作業車の駐車代だけです。
今回の料金
今回の内訳です。
| 内容 | 金額(税込) |
|---|---|
| 車内基本清掃(普通車) | 30,000円 |
| 合計 | 30,000円 |
料金はお車の区分で決まっています。嘔吐でも、ペットの粗相でも、タバコのヤニでも、汚れの種類で金額が変わることはありません。お伺いしてから金額をお出しすることもありません。ご予約の時点で確定しています。
一点だけ、状態による加算があります。吐いたものがそのまま残っている場合は、その除去が別の作業として発生しますので、通常の料金とは別に22,000円(税込)をいただきます。今回のお車ではこの加算はありません。
早めにご相談いただけると
吐いてしまったあとの車内は、時間が味方になりません。
かかった直後は、まだ表面近くにとどまっています。ところが、半日、一日と置くうちに、生地の中へ落ちたぶんが乾いて固まります。同じ量がかかっていても、経過した時間で作業の重さが変わります。
ご自分で対処される場合のことも書いておきます。上から強く擦ると、表面に乗っていたぶんを生地の奥へ押し込むことになります。押さえて吸い取る、が基本です。お湯をかけるのも避けてください。温度が上がると、においが立ちやすくなります。
今回のお車です

黒のトヨタ プリウスを、リアから撮っています。「施工車両」と入れてあります。ナンバープレートはぼかしてあります。ご自宅の駐車場で、地面は平らです。後ろにも横にも作業のスペースが取れました。
よくあるご質問
Q. 吐いたあと、自分で拭いてしまったのですが大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。表面を拭いてあっても、生地の中に入ったぶんは残っています。そのままの状態でご相談ください。
Q. 吐いたにおいは、完全になくなりますか?
A. 完全に無臭になるとは申し上げません。生地の中に入ったところを洗い出していきますので、そこにどれだけ届くかで変わります。どの程度まで下げられそうかは、お車を拝見したうえで着手の前にお伝えします。
Q. 嘔吐だと料金は高くなりますか?
A. 高くなりません。汚れの種類による追加はいただいておりません。お車の区分で決まります。今回のプリウスは普通車の区分で、30,000円(税込)です。
Q. 吐いたものがまだ残っているのですが、そのままでいいですか?
A. そのままで構いません。ただし、そのまま残っている場合は除去の作業が別に発生しますので、22,000円(税込)の加算をいただいています。ご相談のときにお写真を送っていただければ、先にお伝えします。
Q. 後部座席だけなのですが、そこだけお願いできますか?
A. 1脚に収まる範囲でしたら、シートの部分清掃としてお受けしています。2脚以上に及んでいる場合は、車内基本清掃のほうが範囲も広く、金額も抑えられます。
Q. 乾くまでどれくらいかかりますか?
A. 脱水してからお返ししますが、湿ったままのお返しになります。乾燥は1日からみていただいています。
まとめ
石川県野々市市のトヨタ プリウスで、車の中で吐いてしまったというご相談でした。作業は車内基本清掃(普通車)30,000円(税込)のみで、オプションは付けていません。
作業前の後部座席には、座面と背もたれに白い筋状の跡が広い範囲に出ていました。掃除機もノズルも入らないバックルの根元は、細い道具とクロスで先に取り、そのうえでリンサークリーナーを通しています。回収した水は濁っていました。作業後の写真では、白い筋状の跡は見当たりません。
吐いてしまったあとのお車は、時間が経つほど作業が重くなります。お写真を送っていただければ、うかがった内容から範囲と料金をお伝えします。
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