汚れは見当たらないのに、魚のにおいだけが残っている
車内を見渡しても、シミも汚れも見当たらない。それなのに、ドアを開けた瞬間に魚のようなにおいがふわっと立ちのぼる。こういう状態のご相談をいただくことがあります。
汚れが目に見えていれば、話は分かりやすいと思います。ここを落とせばいい、という目標がはっきりしているからです。ところが、においだけが残っている車は、そもそもどこに手を付ければいいのかが分かりません。窓を開けて走っても、消臭剤を置いても、しばらくすると同じにおいが戻ってくる。ご自身でできることを一通り試したうえで、ご相談をいただくこともあります。
今回ご紹介するのは、兵庫県姫路市の自動車販売店様からいただいた、まさにそういうご依頼です。トヨタ シエンタの車内に、強い魚のにおいが残っていました。そして、そのにおいがどこから出ているのかは、最後まで特定できていません。原因が分からないまま、においに対して何ができるのか。今回はそこを中心に書いていきます。
販売前の中古車。仕入れた時点ですでににおっていた
お車は、販売店様がオークションで仕入れられた販売用の中古車です。個人のお客様が乗っておられた車ではなく、これから店頭に並べて、次の方にお渡しするお車ということになります。
そして今回のご依頼で難しかったのが、仕入れた時点ですでににおっていたという点です。前の使われ方が分からないため、いつから、何が原因でにおうようになったのかをたどることができません。飲食物をこぼした跡が残っているわけでもなく、車内を見ても手がかりになるような汚れが見当たりませんでした。
販売店様からのご要望は、はっきりしていました。販売前に、においをできる限り取りたい。お客様がドアを開けて最初に感じるのが車内のにおいですから、ここが残っていると、車そのものの評価まで下がってしまいます。
原因の場所が分からないままでも、においに対してできることはあります。ここから先は、どこにどう手を入れたのかを順にご説明します。
出どころが分からないときは、においが付きうる場所を順に洗う
原因の場所が特定できないとき、クルピカ24がとる考え方はシンプルです。においが付きうる場所を、順番に洗っていく。
車内でにおいをためこみやすいのは、繊維でできた部分です。シートの生地、足元のカーペット。これらは目に見える汚れがなくても、繊維の奥に細かいものを抱え込みます。空気中に漂ったにおいの成分が、時間をかけて生地に移っていくこともあります。表面を拭いただけでは届かない場所ですから、拭き掃除で手応えがなかったとしても不思議ではありません。
消臭剤や芳香剤で上から香りを重ねるという方法もあります。ただ、においの元が生地に残ったままであれば、香りが薄れたところで元のにおいが戻ってきます。市販のスプレーを表面に吹きかける場合も、生地の奥に入り込んでいるものまでは届きません。においの元そのものを減らすには、洗って取り出す工程が要ります。
作業の流れとしては、車内の細かいものを取り除いてから、シートとフロアを洗浄していく形になります。洗剤で生地の繊維を起こし、リンサークリーナーで水分ごと吸い出します。汚れとして目に見えていなくても、吸い出した水には色が付くことがあります。
ただし、届く範囲には限りがあります。洗浄で届くのは、生地の表面から手の届く範囲までです。それより奥に入り込んでいるものがある場合、洗浄だけでは届ききらないことがあります。どこまで届いたかは、乾いたあとのにおいの出方で見ていくことになります。
2列目まわり。作業を終えた車内
作業を終えた2列目まわりです。スライドドアを開けた状態で撮影しています。奥に見えているのは、作業をさせていただいた販売店様の工場の設備です。

内装はグレーのファブリックです。杢調の織り地で、写真で見ていただくと分かるとおり、目立つシミや汚れはありません。この記事の最初に書いたとおり、今回は「汚れが落ちて見た目が変わった」という事例ではありません。変わってほしかったのは見た目ではなく、においのほうでした。
背もたれと座面を近くから見たものがこちらです。

生地の織り目が見えるくらいの距離です。この織り目の一本一本のあいだが、においをためこむ場所になります。掃除機をかけただけでは表面の粒を吸うにとどまるため、洗剤を入れて繊維を起こし、水と一緒に吸い上げる工程が必要になります。
2列目の右側席も、同じように手を入れています。

においの出どころが分からない案件では、「ここが怪しいから重点的に」という進め方ができません。逆に言えば、どこも飛ばさないという進め方になります。左右で差を付けず、同じように洗っていきます。
足元のフロアと、3列目
足元のフロアです。カーペットがそのまま見えている状態で、マットは敷かれていません。

フロアは、車内で最も下にある面です。こぼれたものも、靴に付いて入ってきたものも、最後はここに落ちます。においの相談をいただいたときに、必ず手を入れる場所の一つです。今回もシートと同じように、洗浄して水分を吸い上げています。
3列目も同じように作業しています。


上の2枚は、同じ3列目のシートを別の角度から撮ったものです。シエンタのような3列シートのお車では、3列目まで範囲に入れるかどうかで作業の広さが変わります。今回は3列目も同じように洗っています。空気は車内でつながっていますから、においも同じようにつながっています。
天井清掃も行いました
今回は、天井清掃も一緒に行っています。天井清掃は10,000円(税込)のオプションで、車内基本清掃には含まれていません。
天井は、面積のわりに意識されにくい場所です。しかし車内で広い面を占めていて、シートやフロアと同じように空気に触れ続けています。においの出どころが分からない今回のような場合に、天井まで範囲に入れたのはそのためです。
オゾン消臭もあわせて行っています
シート、フロア、天井の洗浄と、オゾン消臭をあわせて行いました。
クルピカ24では、まず洗ってにおいが付きうるものを物理的に減らし、そのうえで洗浄では届ききらなかった部分にオゾンをはたらかせる、という順番でご案内しています。においの元が残ったままオゾンだけをかけても、においは戻りやすくなるためです。
そのため、オゾン消臭だけを単体でお受けすることはしておりません。
今回は販売店様の工場、つまり屋内での作業でした。電気も水道もお借りできる環境で、作業スペースも確保していただけました。
乾燥に1日から、お時間をいただきます
作業のあとは、リンサークリーナーで脱水してからお返ししています。それでも湿った状態でのお返しとなりますので、乾燥期間が1日から必要です。駐車中に少し窓を開けておける環境でしたら、風を通していただくと早く落ち着きます。
販売店様の場合、店頭に並べる日が先に決まっていることがあります。乾ききる前に並べてしまうと、せっかく洗った生地に湿り気が残ったままお客様の目に触れることになりますので、日程には少し余裕をみていただけると安心です。
今回の料金
今回の内訳です。
- 車内基本清掃(普通車):30,000円(税込)
- 天井清掃(オプション):10,000円(税込)
- オゾン消臭(オプション):12,000円(税込)
- **合計:52,000円(税込)**
出張費・交通費・高速代は、すべて基本料金に含まれています。別途かかるのは、コインパーキングで作業する場合の作業車の駐車代だけです。今回は販売店様の工場での作業でしたので、それもかかっていません。
料金は、作業に入る前に確定させてお伝えします。作業が始まってから金額が増えることはありません。お伝えしている基本プランとオプション以外の費用はいただきません。
においの残り方は、何で決まるか
においがどこまで軽くなるかは、においの元がどこまで入り込んでいるかで決まります。表面近くにとどまっているものであれば、洗浄で届きます。反対に、繊維の奥深くまで入り込んでいるものがある場合は、洗った直後は軽くなったように感じても、乾いたあとににおいが戻ってくることがあります。
においのご相談で、同じように洗っても結果に差が出るのは、この奥行きの違いによるところが大きいと考えています。そして、どこまで入り込んでいるかは、外から見ただけでは分かりません。今回のように出どころそのものが特定できていない案件では、なおさら事前には見通せません。
そのうえで申し上げると、今回シート・フロアに加えて天井まで手を入れ、オゾン消臭もあわせて行ったのは、どこが原因か分からないなりに、においが付きうる場所を残さないための組み立てでした。
中古車を仕入れたときのにおいで困っている販売店様へ
今回のように、オークションで仕入れた時点ですでににおっている、というご相談があります。前の使われ方が分からないため原因をたどれず、そのあいだにも店頭に並べる予定日が近づいてくる、という形です。
店頭に並べる前に一度手を入れておけば、ご覧になるお客様の第一印象が変わります。においは、車の見た目や走りと違って、写真にも数字にも出ません。実際にドアを開けた方にしか伝わらない代わりに、開けた瞬間に伝わってしまいます。
クルピカ24は出張専門です。今回のように販売店様の工場へこちらから伺い、その場で作業します。作業スペースを確保していただければ、お車を動かしていただく必要もありません。
よくあるご質問
Q. 汚れは見えないのに、においだけ気になります。清掃で変わりますか
A. 目に見える汚れがなくても、シートやフロアの繊維の奥に、においの元が入り込んでいることがあります。洗浄で吸い出せる範囲は限られますが、手を入れる意味はあります。
Q. においの原因が分からなくても依頼できますか
A. できます。今回のように原因の場所が特定できないご依頼も承っています。においが付きうる場所を順に洗っていく形でご案内します。
Q. 魚のにおいは完全に取れますか
A. 完全に取れると言い切ることはできません。においの元がどこまで入り込んでいるかによって、洗浄で届く範囲が変わるためです。
Q. オゾン消臭だけをお願いすることはできますか
A. オゾン消臭だけのご依頼は承っておりません。車内基本清掃に付けるオプションとしてご案内しています。においの元が残ったままオゾンだけをかけても、においが戻りやすくなるためです。
Q. 天井の清掃は基本料金に入っていますか
A. 入っていません。天井清掃は10,000円(税込)の別オプションです。においのご相談では、天井清掃とオゾン消臭をあわせてご提案する場合があります。
Q. 販売店なのですが、法人でも頼めますか
A. 承っています。今回も自動車販売店様からのご依頼でした。お支払い方法については、ご依頼の内容にあわせてご相談させてください。
Q. 作業のあいだ、そばにいたほうがいいですか
A. 基本的には、作業の前後だけお立ち会いいただければ大丈夫です。作業のあいだ、ずっとそばにいていただく必要はありません。お立ち会いなしで、お車の鍵の受け渡しとお支払い方法だけ先に決めて作業する場合もあります。
Q. 作業のあと、すぐに店頭に並べられますか
A. 乾いてから並べていただくほうが安心です。お渡しの時点では生地に水分が残っており、乾くまでに1日から見ていただいています。並べる日が決まっている場合は、そこから逆算して作業日をご相談ください。
まとめ
兵庫県姫路市の自動車販売店様からのご依頼で、トヨタ シエンタの車内清掃を行いました。オークションで仕入れた時点で強い魚のにおいが残っており、その出どころは特定できていません。
行ったのは、車内基本清掃(普通車)30,000円、天井清掃10,000円、オゾン消臭12,000円の、合計52,000円(税込)です。シート、フロア、天井と、においが付きうる場所を残さず洗い、オゾン消臭もあわせて行っています。
汚れが見えないのに、においだけが残る。原因の場所が分からない。この状況は、中古車を仕入れる販売店様にも、車を買われた個人のお客様にも起こります。原因が分からないからといって、打てる手がないわけではありません。
車内のにおいでお困りでしたら、お気軽にご相談ください。お車の使われ方や気になる場所をうかがったうえで、どこまで手を入れるかをご提案します。
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